ノミ・マダニの駆除剤として当院ではフロントラインを扱っています。これはノミとマダニの両方に効果があります。この薬は首の皮膚に塗る薬で、その効果は犬では1〜3ヶ月、猫では1ヶ月持続します。ただ、マダニには1ヵ月しか効果がないため、1ヶ月に1回の投薬をお勧めしています。
また、猫にはレボリューションを使っています。このお薬は最近発売された薬で、ノミの駆除とともにミミダニや消化管内寄生虫、フィラリアにも効果があります。ただ、残念なことにマダニには効果がありませんが、猫はグルーミングをする習性があり、マダニが付着することはほとんどありません。このお薬も月に一回首の皮膚に塗る薬です。
フロントライン、レボリューションは動物病院でのみ扱っている薬です。
ノミ・マダニの駆除方法には獣医師の診断により処方された薬を用いることをお勧めします。
ノミ・マダニは草むらなどに隠れており、犬や猫が来るのを待っています。ノミは一旦動物に寄生すると逃げ足が速いため発見が遅れることがあります。マダニは一個所にとどまり吸血するので、動物の脚や顔などに付着しているのが見つかります。
ノミは異常なほどの繁殖力があり、吸血後2日で産卵を開始し、その数は1日50個にも及びます。したがってノミが見つかったときには、その数が莫大な量になっている可能性があります。当然室内にも卵や幼虫がいることになります。

動物にマダニが寄生すると、大量寄生による貧血やアレルギー性皮膚炎が起こります。また、付着しているマダニを無理に取ろうとすると虫体がつぶれて口の部分だけが残り、それが原因で皮膚炎を起こすことがあります。
それ以外に犬バベシア症(赤血球に寄生し、赤血球をどんどん壊していきます)やライム病(人獣共通感染症で神経症状や関節炎などが見られます)、猫ヘモバルトネラ症(赤血球に寄生し、貧血を起こす)、犬へパトゾーン症などの危険な病気を媒介することが知られています。
動物にノミが寄生すると、痒がるのはもちろんですが(ノミアレルギー性皮膚炎では痒みと同時に脱毛が起こります)、多数寄生で貧血を起こすことがあります。
また、ノミは瓜実条虫を媒介します。瓜実条虫は消化管内に寄生する虫で大量に寄生すると下痢などの症状を起こします。
また、猫ひっかき病と呼ばれるバルトネラ菌もノミが連れてきます。これらは人にも感染しますので人獣共通感染症として知られています。また、ノミ自身も人を吸血することがあり、激しい痒みをもたらします。
ノミ、マダニと聞いて皆さんは何を想像されますか?私は痒み、アレルギー、脱毛をまず思い浮かべます。皆さんもだいたい同じことを考えると思いますが、実はそれ以外にも厄介な病気を連れてくる可能性があります。
ここでは動物だけでなく、ヒトにも感染する病気についても触れたいと思います。




▲葉の先端で動物が通過するのを待ち構えるマダニ
▲口器に皮膚片をつけたマダニ
