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狂犬病について  ― ヒトへの感染を防ぐために ―









 
 

狂犬病はほとんどすべての哺乳類に感染する病気です。
平成
1811-12月、日本でもフィリピンで犬に噛まれ帰国した男性2名が発症し、死亡したことが報道されたことを覚えている方も多いでしょう。
 この病気は発症するとほぼ
100%死亡する病気です。予防法としてはヒトを含めて狂犬病ワクチンの接種が有効とされています。

 現在日本は世界中で数少ない狂犬病清浄国の1つです。これは島国という地理的な影響はもちろん海外から入ってくる動物を検疫し、病気の侵入を防いでいることが大きいと思われます。
 

 ただ、現在では不法入国や密輸による動物の侵入、また貿易の際に動物が同時に上陸しているのは事実であり、いつ狂犬病の動物が入ってきてもおかしくない状況です。
 この病気の病原体(狂犬病ウィルス)は感染した動物の唾液中に含まれ、動物に噛まれることで感染します。したがって国内に病原体が侵入すると野生動物を介してさらに広まる可能性があります。
 では一旦入ってしまった病原体が広がるのを食い止めるためにはどうすればよいのでしょう。先にも触れましたが、やはり予防法としての狂犬病ワクチンの接種が有効とされています。
 ただ、現状の接種率を考えると狂犬病の蔓延を防ぐには不十分と言われています。

当院に来院されるペットオーナーさんからも時々狂犬病予防接種について間違った言葉を聞かされることがあります。

「日本では50年以上(1957年以降)狂犬病の発生がないのになぜ狂犬病の予防接種をしないといけないのですか?必要ないですよね。」

「うちの犬は外にも出ないし、おとなしくてヒトを噛むようなことはないので狂犬病予防接種を受けなくてもいいですよね。」

この言葉を聞かされるたびに、私は顔を引きつらせながら、そんなことはないことを説明させてもらっています。現在日本が狂犬病清浄国なのは、昭和25年に交付された狂犬病予防法のおかげだと考えられます。おそらく皆さんは知らないと思いますのでここで狂犬病予防法の内容を簡単に書かせてもらいます。










 ここで皆さんに伝えたいのは法律で決まっているからとか罰金があるから狂犬病の登録と予防接種を受けましょうといっているわけではないです。この法律が施行された当初は飼い犬や野犬には厳しい取り締まりや処分がされたと伝え聞いています。このような過去があったからこそ、現在のような狂犬病のない平和な環境に日本はいれるわけです。
 
現在犬の登録数とペットフード会社が発表している犬の飼育頭数には大きな差があるといわれています。すなわち、未登録の犬が多数存在しているということです。また、現在登録している犬でさえ、毎年の狂犬病予防注射接種率の低下が見られています。この状況が続き、狂犬病ウィルスが日本に侵入してしまった時のことを考えると非常に恐怖を感じます。おそらく登録されていない犬は抑留され、中には処分される犬も多く出てくることでしょう。また、日本中がパニックとなることは目に見えるような気がします。おそらくすべての犬が恐怖の対象となることでしょう。

今後犬の登録数が増加し、狂犬病予防接種率が上昇することで狂犬病ウィルスに対する抗体をもった犬が増加すれば、国内に侵入した狂犬病が蔓延することはない(ある程度の範囲内で抑制することが可能)といわれています。  今からでも遅くありませんので、犬を飼っている飼主の皆さんは必ず犬の登録と毎年1回の狂犬病予防接種を受けましょう。
 また、これを読まれた方は知人や近所の方に狂犬病がどのような病気で、蔓延を防止するためには必ず登録と予防接種が必要であることを伝えてください。
 私たちも今までどおり狂犬病予防の重要性を伝えていきたいと思います。

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