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犬の病気

皮膚の病気

外耳炎
細菌やカビの繁殖、寄生虫の感染、アレルギーなどで、耳の外耳道に炎症をおこす病気です。しきりに頭を振る、耳をひっかく、耳アカがたまる、耳から異臭がするなどの症状がみられます。耳の中は温度も湿度も高く、細菌などが繁殖しやすい環境になっています。トイ・プードル、ゴールデン・レトリーバー、ミニチュア・ダックスフンドなどのたれ耳や耳の中に毛の生える犬種はなりやすい傾向があります。定期的なお手入れで予防してあげてください。
また、かえって傷を付けて外耳炎を引き起こすこともあるので、綿棒を使う場合は目にみえる範囲にとどめてください。

耳血腫
耳介(じかい:軟骨と皮膚で形成されたいわゆる耳の部分)に分泌液や血液がたまることで耳が膨らむ病気です。外耳炎やアトピー性皮膚炎などによる耳のかゆみで、頭を強く振ったり、耳を強く引っかいたりすることで、耳の血管が破れ発症することがあります。膨らんだ耳は、熱を持ち、痛みや痒みをともないます。
お薬や、手術によって治療を行います。
再発が多く、治療後も耳の形が変形する場合があります。
耳の定期的なお手入れで予防してあげてください。

アレルギー性皮膚炎
ある成分に対して体の中の免疫システム(抵抗力の一つ)が過敏に反応してしまうことで、皮膚炎が起こってしまう病気です。遺伝的に発症しやすい体質であることも多く、皮膚のバリア機能や保湿力が低下していることも発症の1つの原因となります。主な症状は激しいかゆみや皮膚の赤みなどで、それらが眼や口の周り、耳、脇の下、お腹、足の先端などにあらわれます。痒みのため、ひどくひっかくことで二次的な皮膚疾患を引き起こしてしまうことも。花粉、ハウスダスト、ダニ、ノミ、真菌、食べ物、接触する食器や敷物など環境中の様々なものが原因となります。若くして発症することが多く、完治がむずかしい病気です。
お薬や処方食、シャンプーなどを使って治療していきます。かゆみとうまくつきあっていくことが大切です。

乳腺腫瘍
お腹にある乳腺にできるしこりで、悪性と良性があります。犬の場合、良性と悪性の割合はほぼ1:1です。避妊手術を受けていない高齢のメスに多い病気です。乳腺腫瘍は、性ホルモンや発情回数と関係がある病気ともいわれているため、避妊手術を受けることが予防になります。また、日頃からおっぱい周辺を触り、しこりや腫れなどがないかチェックしてあげてください。手術によって治療を行います。未避妊の場合、避妊手術も同時に行います。

膿皮症
皮膚に細菌・真菌が感染して起きる、化膿性の皮膚炎です。顔やわき、内股などに起きやすく、初めは小さな赤い発疹ですが、進行すると腫れを伴うことも。不衛生な生活環境や、過度なシャンプーが原因の場合もあります。
お薬で治療していきます。

脂漏性皮膚炎
栄養のかたよりや、アレルギー、寄生虫や細菌の感染、内分泌異常などによって皮膚から皮脂が異常に分泌されたり、皮膚(表皮)の新陳代謝が極端に速くなってしまう病気です。シー・ズーに多い病気です。
皮膚がベタッと脂っぽくなる、体臭が強くなる、痒み、脱毛などの症状があらわれ、ひどくなると色素沈着が起こり、皮膚が黒くなってしまうことも。完治がむずかしい慢性の皮膚病です。お薬や処方食、シャンプーなどを使って治療していきます。

肛門のう炎
肛門の脇にある、分泌物がたまる肛門のうが詰まったり、細菌が入ることで炎症を起こす病気です。お尻を気にしてなめたり、座ったままお尻を床にこすりつけるようなしぐさがみられます。
ひどくなると化膿を起こして皮膚がやぶれてしまい、手術が必要になることも。
肛門のうがたまりすぎるとなりやすいので、定期的に(1ヶ月に1回程度)分泌物を絞り出してあげてください。

臍ヘルニア
へその部分の腹壁(ふくへき:腹腔を構成する壁)が、出生後、完全に閉じず、そこから脂肪や内臓の一部が外側へ飛び出てしまう病気です。「出べそ」と呼ばれることもあります。
軽度のものではへそが少しふくらむだけですが、ヘルニア部分が大きいものでは、腸管の一部がヘルニア部分に入り込み、もとに戻らなくなると、腸が閉塞することも。
ヘルニアが小さいものであれば様子を見ていただくこともありますが、大きいものでは避妊・去勢手術のときに一緒に手術を行うことをおすすめしています。

体表腫瘤
皮膚に出来る腫瘍のことで、老齢になるにつれ、みられることの多い病気です。皮膚にしこりとしてあらわれることが多く、見た目だけでは悪性度などの判断が難しい病気です。急に大きくなるしこりは悪性の可能性がありますので、注意が必要です。予防は困難なため、日ごろからのスキンシップで早期にみつけてあげることが大切です。


泌尿・生殖器の病気

子宮蓄膿症
子宮の中に細菌が入り、感染して炎症をおこし、膿がたまってしまう病気です。陰部からおりものや出血などが見られる、多飲多尿になる、元気がなくなる、食欲不振、発熱などの症状があらわれるようになります。ひどくなると子宮が破れてしまうことも。兆候がみられたらすぐに受診してください。治療の多くは卵巣と子宮を摘出する手術になります。
避妊手術を受けていると、この病気を予防することができます。細菌が入らないように陰部を清潔に保つことも大切です。

卵巣腫瘍
卵巣にみられる腫瘍です。生理が不規則になる、生理が長く続く、被毛にツヤがなくなる、脱毛などの症状があらわれ、ひどくなると、嘔吐や食欲不振なども見られますが、無症状の場合もあります。治療の多くは卵巣と子宮を摘出する手術になります。
避妊手術を受けていると、この病気を予防することができます。

前立腺肥大
前立腺が肥大する病気です。加齢とともに発症率は高くなります。老齢により男性ホルモンのバランスが崩れることが要因の1つと考えられています。便秘や排便困難、血尿、排尿困難などの症状が見られます。睾丸の摘出手術が効果的です.。お薬による治療をすることもあります。
去勢手術を受けていると、この病気を予防することができます

精巣腫瘍
精巣にみられる腫瘍です。左右の睾丸の大きさが不対象になることで気付くことが多く、なかには腫瘍ができると女性ホルモンが分泌されることもあり、メスのように乳腺が大きくなったり、脱毛がみられることも。睾丸の摘出手術が必要です.。
去勢手術を受けていると、この病気を予防することができます。

停留精巣(陰睾)
睾丸は、母犬の子宮にいるときはお腹にあって、生まれてから陰嚢に収まりますが、ときには片方、または両方の睾丸がうまく陰嚢まで降りてこないことがあります。停留したままだと腫瘍化する可能性が高いので、早期の去勢手術がすすめられています。

尿石症
膀胱や尿道などに結石ができる病気です。結石ができると膀胱や尿道が傷ついたり、排尿が困難になったりします。特に尿道に詰まり、尿が全く出なくなると尿毒症になる危険もある、命にかかわる病気です。何回もトイレに行く、1回の尿量が減る、尿に血が混じる、排尿時に痛がるなどの症状があらわれますので、兆候がみられたらすぐに受診してください。外科的手術が必要な場合もありますが、お薬や結石を溶かす療法食などによって治療できる場合もあります。

膀胱炎
尿道や血液から細菌が入り、膀胱で炎症をおこす病気です。尿がにごる、尿に血が混じる、少量のおしっこを何回もするなどの症状があらわれます。お薬などによって治療していきます。

腎不全
腎臓の機能に異常が発生し、おこる病気です。左右の腎臓の3/4が機能しなくなると生じます。突然腎機能が低下する急性腎不全と時間をかけて(数週間、数ヶ月、数年)ゆっくりと生じる慢性腎不全があります。腎臓機能が低下すると尿として排泄されるべき老廃物が排泄されず体内に残ります。嘔吐、食欲不振、多飲多尿などの症状がみられます。この状態が進行すると尿毒症などになり、命にかかわります。お薬、点滴、療法食などによって治療していきます。
血液検査、尿検査などで早期発見することができますので、定期的な検査をおすすめしています。

偽妊娠(想像妊娠)
発情期から2ヶ月ほど経過したころ(妊娠していれば出産の時期にあたる)にみられる症状。実際の妊娠時と同じくお乳がでるようになったり、精神的に不安定になったりします。多くは自然に解消します。


消化器の病気

歯周病
歯垢や歯石に含まれる細菌によって、歯肉に炎症を起こす病気です。3歳以上の約80%が歯周病になっているといわれています。歯の表面が黄ばんできたり、口臭が気になるようになります。ほうっておくと歯が抜けたり、化膿することも。
歯磨きなどで歯垢がたまらないように、ホームケアが大切です。歯石がたまってしまったら、スケーリング(歯石除去)
で歯をキレイにすることをおすすめしています。

乳歯残存
通常、犬は3~7ヶ月ぐらいまでに永久歯に生えかわりますが、乳歯が抜けずに残るのが残存乳歯です。
噛み合わせが悪くなったり、歯垢がたまりやすくなり歯周病の原因にも。抜歯が必要です。

根尖膿瘍
歯周病によって歯のまわりから歯が欠けて歯髄から細菌が侵入し、歯根(根尖部)に炎症が起こり化膿して膿がたまる病気です。
ひどくなると歯肉や皮膚に穴があいて膿が出てくることも。
特に上顎の臼歯に多くみられ、眼の下あたりが突然腫れ、その部分の皮膚が破れて膿がでてくることもあります。
歯石除去、抜歯、手術などが必要になってきます。
そうならないためにも、デンタルケアが重要です。

会陰ヘルニア
肛門のまわり(会陰部)にある筋肉の間に隙間ができ、そこにお腹の中の臓器が飛び出てしまう病気です。肛門のまわりが膨らむ、便秘、排便困難、排尿困難などの症状ががあらわれます。男性ホルモンなどの影響で会陰部の筋肉が弱くなることが原因と考えられています。筋肉の隙間をふさぐ手術と同時に去勢手術を行うことがすすめられています。また、去勢手術を行うことで予防することができます。

嘔吐・胃炎
食道や胃に異常があると、1つの症状として嘔吐がみられます。
その原因は様々で、診断には検査が必要です。嘔吐回数が少なく、食欲がある場合は、あわてる必要はないですが、嘔吐回数が多く、水を飲まない、食欲がない場合は命に関わる原因の場合があります。すみやかに受診されることもおすすめします。

下痢・腸炎
下痢はいろいろな原因でおこります。食べ過ぎ、感染症、腫瘍など、その原因は多岐にわたります。
食欲がなくなったり、体重が減少する場合は緊急を要する場合があります。1食、食事を抜いて、お腹を休ませても治まらない場合は受診することをおすすめします。

肝炎・肝不全
肝疾患には急性と慢性のタイプがあり、
急性は犬伝染性肝炎、レプトスピラなどウイルスや寄生虫からの感染、細菌感染、中毒によるものがあります。
慢性は慢性肝炎、肝硬変などがありますが、原因不明の場合も少なくありません。何らかの原因で肝炎が慢性化すれば、
肝細胞が徐々に壊れていきます。
食欲不振、嘔吐、下痢、黄疸などの症状がみられ、ひどくなると中枢神経症状があらわれることも。
肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、症状があらわれたときにはすでに病気が進行していることが少なくありません。
定期的な健康診断をおすすめしています。

胃拡張・胃捻転症候群
胃がねじれることで、胃にガスがたまったり、血液が流れなくなるため、ショック状態に陥り、ほうっておくと数時間で命に関わる緊急を要する病気です。中・大型犬に多く、お腹がふくらむ、嘔吐、元気がなくなる、などの症状があらわれます。
食後の過度の運動やストレス、食事や水の過度で急激な摂取なども原因とされています。

呼吸・循環器の病気

僧帽弁閉鎖不全症
心臓の心房と心室の間にある2つの弁のうちの1つ、僧帽弁の閉まりが悪くなる病気で、肺にいく血液が逆流してしまう状態になります。血流が悪くなり、病気が進行すると肺水腫を起こし呼吸困難になることも。老齢の小型犬に非常に多く、セキをする、散歩を嫌がるなどの症状が現れます。
定期的な検査が大切です。また、激しい運動や太りすぎも心臓に負担をかけるので注意してあげてください。
症状が出始めたら、お薬での生涯治療が必要な病気です。

心筋症
心臓の筋肉が硬くなり、正常に働かなくなることで、血液が全身に充分に行き渡らなくなる病気です。初期は無症状のことが多く、咳や呼吸困難、失神などがみられ、最悪の場合には突然死することがあります。加齢にともなって発症しやすくなります。完治の難しい病気です。

肺炎
細菌やウイルスなどの感染、アレルギーなど様々な原因によって起こる肺の病気です。咳や発熱、食欲や元気の低下、運動を嫌がる、呼吸困難などの症状が見られます。お薬などで治療していきます。

鼻炎
人間と同様、鼻の中の粘膜が炎症を起こす病気です。その症状はさまざまで、軽い場合にはくしゃみをしたり、水のような鼻汁をたらしたりします。重くなると鼻汁が濃くなり、粘りを帯びたようになります。そうなると、鼻汁によって鼻の中がふさがれ、鼻呼吸が困難になり、口を開いて呼吸をするようになります。原因はさまざまですが、まず疑われるのはウイルスや細菌の感染です。また、刺激臭の強い薬品を嗅いだり、アレルギーも鼻炎を生じさせる原因として考えられます。

肺水腫
肺に水がたまった状態になり、呼吸困難になってしまう病気です。肺水腫は、すでにかかっている他の病気に併発して発生することがほとんどで、肺水腫だけ発生することはありません。症状は、軽い段階ではせきをする程度ですが、ひどくなると、セキ、ゼーゼーという呼吸音、呼吸困難などがみられます。

先天性心疾患
生まれつき、心臓に異常がある状態です。心臓が本来の働きができないため、血流が悪くなり、セキがでる、呼吸が苦しそう、疲れやすいなどの症状があらわれます。

感染症

狂犬病
狂犬病ウイルスに感染することによって発症し、致死率ほぼ100%の極めて危険なウイルス性感染症です。犬をはじめとする人を含むすべての哺乳類に感染します。日本では1957年以降、ペットの発症例は報告されていませんが、被害を未然に防ぐために予防接種の義務化と、輸入動物の検疫が強化されています。なお、人間においても1970年以降の発症例はありませんでしたが、2006年にフィリピン滞在していた日本人2名が現地で狂犬病に感染し、いずれも帰国後に死亡しています。症状としては水を怖がるなど、狂犬病特有の症状を経て、凶暴化、異常な興奮、麻痺、精神錯乱などの神経症状が現れたのち、呼吸障害によって死亡します。

ジステンパーウイルス感染症
発熱、目ヤニ、鼻水、食欲不振、嘔吐や下痢、神経症状などが起こり、全身がおかされ、治ってもいろいろな後遺症に悩まされます。死亡率も高く、怖い病気です。混合ワクチンで予防することが出来ます。

犬伝染性肝炎
アデノウイルスによる感染症で、肝炎を主とし、嘔吐や下痢、食欲不振などが起こり、目が白く濁ることもあります。
子犬では突然死することもある怖い病気です。混合ワクチンで予防することが出来ます。

パルボウイルス感染症
血液のまじったひどい下痢や嘔吐、食欲不振、急激な衰弱などが起こり、重症になると短時間で死亡することもあり、子犬に突然死をもたらすことも。伝染性が強く死亡率も非常に高い怖い病気です。混合ワクチンで予防することが出来ます。

コロナウイルス感染症
腸炎を引き起こす感染症です。嘔吐と重度の下痢を引き起こします。混合ワクチンで予防することが出来ます。

犬レプトスピラ病
細菌によって腎臓や肝臓がおかされる、人獣共通感染症の1つです。
○イクテモヘモラジー型(黄疸出血型)は発熱、黄疸、歯茎からの出血などがあります
○カニコーラ型は、発熱、筋肉痛、脱水症状などが現れ、尿毒症になり、2~3日以内に死亡することがあります。
とくに、いろいろな所へのお出かけ、お散歩、他犬との接触があるわんちゃんは感染の恐れがありますので予防が大切です。混合ワクチンで予防することが出来ます。

フィラリア症(犬糸状虫症)
蚊に刺されることで心臓にそうめんのような虫が寄生してしまう病気です。セキがでる、元気がない、食欲がない、呼吸が苦しそう、お腹が膨らんできた、尿が赤いなどの症状があらわれ、最悪の場合は死に至ります。感染してしまうと簡単に駆虫することが出来ません。予防が非常に重要な病気です。

回虫症
白っぽいひものような長さが4~18cmの寄生虫が感染する病気です。感染犬の便の中には虫卵が排泄され、それを摂取することで感染し、主に小腸に寄生します。消化管に障害が生じ、下痢や腹痛、発育不良などをひきおこします。
また、感染した回虫の幼虫が他の臓器に移行することもあります。便を検査したのちに、駆虫薬を使用します。

鉤虫症
糸くずのような、長さ1~2cmの虫が主に小腸で発症します。小腸の粘膜に噛み付き吸血するので、ひどい貧血、腸炎、腹痛、栄養不良などをひきおこします。感染犬の便の中には虫卵が排泄され、それを摂取したり、触れたりすることで感染します。便を検査したのちに、駆虫薬を使用します。

瓜実条虫症
多くの体節からなる寄生虫が感染する病気です。ノミを摂取することで感染し、下痢などを発症させる原因となります。虫の一部が肛門付近に付着することもあり、米粒やゴマのように見えます。治療は駆虫薬を使用します。また、感染源になるノミの駆除と予防が重要です。

鞭虫症
長さ4~7cmの白い虫が、主に盲腸に寄生して発症します。感染犬の便の中には虫卵が排泄され、それを摂取することで感染します。腸の粘膜から養分を摂取するので、発育不良などをおこし、下痢の原因にもなります。
便を検査したのちに、駆虫薬を使用します。

糞線虫症
長さ0.3~0.7mmほどの寄生虫が、主に小腸に寄生して発症します。感染犬の便の中には幼虫が排泄され、それを摂取したり、触れたりすることで感染します。下痢、発育不良や体重低下などが引き起こされる病気です。ブリーダーやペットショップなど、犬が集まる場所での感染が多く見られる傾向があります。便を検査したのちに、駆虫薬を使用します。1回ではすべての糞線虫を駆虫できない可能性があるため、何度か検査と駆虫を行います。

コクシジウム症
顕微鏡でしかみつけることができない、コクシジウムという原虫が感染しておこる病気です。感染犬の便にオーシストと呼ばれる卵にあたるものが排泄され、それを摂取することで感染します。水様の下痢や血便を起こし、重症では命にかかわることも。駆虫薬を使用します。

ジアルジア症
原虫の仲間のジアルジアが、小腸に寄生して発症する病気です。顕微鏡でしかみつけることができません。感染犬の便にシストと呼ばれる卵にあたるものが排泄され、それを摂取することで感染します。子犬が寄生された場合は下痢や発育不良だけでなく、体重の減少などが引き起こされます。感染していても下痢にならないこともあります。ペットショップなど、犬や他の動物を多数飼育しているような場所では、集団感染がしばしば見られます。駆虫薬を使用します。

ノミ感染症
ノミが寄生しておこる病気です。ノミの刺咬が部分的な痒みを生じ、多量寄生で貧血をおこしたりすることもあります。また、アレルギーの原因にもなり、激しい痒みと湿疹・脱毛などの症状が全身にあらわれることがあります。人も吸血されることがあり痒みをもたらします。さらに、ノミを口から摂取することで条虫が体内に寄生する危険性もあります。
お薬で予防することができます。定期的に予防してあげてください。

マダニ感染症
草むらなどに潜んでいたマダニが、身体に寄生し、たくさんの血を吸って、栄養障害や貧血を引き起こします。
最初は1~2mm程度の大きさですが、皮膚に喰いつき吸血すると1cmくらいにまで大きくなることもあります。
マダニはバベシア症、ヘモバルトネラ症などの命に危険を及ぼす感染症を媒介する可能性もある、恐ろしい寄生虫です。
お薬で予防することができます。定期的に予防してあげてください。

疥癬
ヒゼンダニの寄生によって発症します。ダニは皮膚に穴をあけてもぐりこみます。その刺激とダニの分泌物による刺激、これに対するアレルギー反応が原因で非常に強いかゆみがみられます。頭、耳、額、足などに発疹と脱毛、かさぶたなどがみられます。検査をしても虫体がみられないことがあり、くり返して検査が必要になる場合もあります。直接接触によって感染します。感染動物との直接接触により、人も感染します。駆虫薬を使用します。

ミミダニ症
ミミヒゼンダニというダニが外耳道に寄生し、激しい痒みをおこします。しきりに頭を振ったり、頻繁に耳を後ろ足で引っかいたりする症状が見られます。黒い耳アカが出るのも特徴。接触によって感染します。駆虫薬を使用します。

毛包虫症
別名、ニキビダニ、アカラスともよばれる寄生虫が毛穴に寄生して発症します。
この虫は通常、健康な身体にも寄生しているものですが、免疫力や抵抗力が低下したりすると異常に増殖し、脱毛して皮膚炎、痒みを引き起こします。駆虫薬を使用しますが、完治が難しい病気です。

その他

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることで、様々な症状が引き起こされる病気です。
主な症状として、多飲多尿、たくさん食べるのにやせる、全体的に毛がうすくなる、かゆみはないのに左右対称に毛が抜ける、お腹が膨れるなどの症状が現れます。時間をかけて検査を行わないと判明しない、難しい病気です。
病気が進行してくると、しだいに元気がなくなり、眠ってばかりいる症状が見られるようにもなります。
免疫力が低下するため、様々な感染症(皮膚炎、膀胱炎など)にもなりやすくなってしまいます。

甲状腺機能低下症
体の代謝を活発にする働きをもつ「甲状腺ホルモン」の分泌量が減少することで起きる病気です。ホルモンの減少により、代謝量が低下するので、食事量は変わらないのに体重が増える場合があります。
毛づやが悪くなる、左右対称で痒みのない脱毛がおこる、無気力になり寝てばかりいるなどの症状が現れます。予防は難しいので、兆候が見られたら早めに受診してあげてください。

糖尿病
すい臓から分泌されるインスリンが不足すると、体の細胞が糖を吸収しにくくなり、血液中の糖分の値(血糖値)が上昇します。その結果、糖が尿と一緒に排出される糖尿病になります。老齢によって発症する場合が多いですが、遺伝的要因などにより若齢時に発症する場合もあります。原因としては肥満につながる食べすぎや老化、ウイルス感染によるものやストレス、すい炎などが考えられ、白内障など様々な病気を併発することもあります。多飲多尿、食欲はあるのにやせてくるなどの症状がみられ、発症すると生涯治療(インスリンの注射)が必要な病気です。

膝蓋骨脱臼
後ろ足のひざのお皿の骨が脱臼してしまう病気です。トイ・プードルなどの小型犬に非常に多くみられ、生まれつきひざの関節の骨の形成異常などが原因です。
一瞬足を浮かせて歩く、片足を上げたまま立つ、などの症状がみられ、最初はいたみを伴う場合もありますが、慢性になると、痛みもなく、ずれた関節が自然に戻ることも。
ひどい場合は手術が必要になることもあります。
予防するには、ひざに負担をかけないことが大切です。ジャンプさせたり、ソファやベッドから飛び降りたり、フローリングなどの硬くてすべりやすい床はひざへの負担がかかりやすいので、じゅうたんやマットなどを敷いてあげてください。
また、重い体重もひざに負担がかかるので、体重管理が重要です。

股関節形成不全
股関節が緩みやすくなる病気で、関節のはまり方が浅く、はずれやすくなります。先天的にレトリーバー種などの大型犬に多くみられ、腰を左右に振って歩く、内股ぎみに歩くなどの症状が見られます。過度な運動をひかえつつ太らせないような注意が必要です。

関節炎
関節の軟骨に障害が起こり、その進行・悪化によって慢性的な痛みをもたらす病気です。大型犬や老齢な動物に多い病気で。散歩を嫌がる、寝た状態から起き上がるとき歩きにくそうにする、などの症状があらわれます。お薬での治療で改善が期待できますので、兆候がみられたら受診してあげてください。

椎間板ヘルニア
椎間板とは、背骨と背骨の間にある物質のこと。この病気になると、椎間板が本来の位置からずれて、脊髄神経を圧迫し、痛みや麻痺などを引き起こします。ひどくなると歩けなくなることも。
ダックスフントやコーギーに多く、触られるのを嫌がったり、後ろ足を引きずって歩く、背中を痛がるなどの症状がみられます。
体重が増えると背骨に負担がかかってしまいますので、体重管理が重要です。
治療は軽いものであれば内科的治療(投薬)。重い場合には外科手術が必要です。

変形性脊椎症
背骨が加齢と共に変形する病気で、症状がまったく出ない場合もありますが、なかには、歩けなくなったり、麻痺する場合も。コーギーに多くみられます。肥満になると背骨に負担をかけてしまうので、適正体重をまもるようにします。また適度な運動で、背中の筋肉をつけることも大切。ただ、ジャンプや飛びつきなど、背骨に負担がかかる動きは控えてください。

骨折
落下などの衝撃により骨が折れること。触られるのを嫌がる部位がある、片足を上げたまま痛そうに立つ、痛みで動こうとしないなどの症状がみられます。小型犬は特に前足の骨を折りやすい傾向があり、少し高いところから飛び降りただけで骨折する場合も。ソファや段差がある場所で遊ばせないように注意が必要です。

水頭症
頭の中(脳)に水がたまっている状態(脳内の液体成分(脳脊髄液)が過剰に貯留し、脳室が異常に拡張した状態)のことです。
周囲の脳実質が圧迫され、感覚麻痺などが起きます。
歩き方がおかしい、よく転ぶ、うまく立ち上がれない、といった症状や、けいれん発作、視覚喪失などがみられることもあります。
予防が難しいので、兆候が見られたら、できるだけ早めに受診してください。

てんかん
突然泡をふいて倒れ、全身をこわばらせてけいれんする。いわゆる「発作」を起こす状態です。
発作は通常、数分でおさまりますが、完治するケースは少なく、抗てんかん薬などを投与して発作の回数を抑えていくことになります。

白内障
眼球の中のレンズ(水晶体)が白く濁り、視力が低下する病気です。多くの場合が加齢に伴い起こりますが、中には糖尿病などに併発して発症する場合もあります。瞳が白っぽく見え、段差につまずいたり、ドアや壁にぶつかったりすることがみられるようになります。予防は難しく、病気の進行を遅らせる薬を使うこともあります。昼より夜の方が見えにくくなり、慣れない場所ではぶつかってしまうことがあるので、部屋の模様替えなどはせず、なるべく環境を変えないようにしてあげてください。

角膜炎
目の表面の角膜が炎症を起こす病気です。細菌などの感染のほか、異物によってついた傷が原因となることが多く、炎症が進行すると角膜潰瘍になることも。シー・ズーやフレンチブルドックなどの目が大きく出ていて、鼻が短い犬種がなりやすい傾向があります。目ヤニや涙が出る、目を気にしてこする、目をショボショボさせているなどの症状がみられます。散歩の時は、むやみに草むらへ入らないように注意して下さい。
軽度の場合は薬で治りますが、手術が必要になる場合もなります。ひどくなる前に受診してください。

結膜炎
まぶたの裏側の粘膜(結膜)が炎症をおこす病気です。細菌やウイルスの感染、アレルギーが原因になるほか、目の周りの毛などの異物の刺激で発症することも。白目の部分が赤くなるなどの症状があらわれ、前足でかくなど、眼を気にするようになります。

流涙症
涙があふれて目の周りの毛に茶色い色がついたり、目頭の皮膚などに炎症をおこしてしまう病気です。涙は目を乾燥から守り、役割を果たすと目頭の涙点に吸収され鼻涙管を通って鼻に流れ出ます。何らかの原因によって鼻涙管が詰まったり、炎症を起こして通りが悪くなることで、涙があふれて出てしまいます。常に清潔にすることが必要です。
お薬や外科的処置による治療をすることもあります。

認知機能障害
老齢化に伴い、脳が萎縮することで、脳神経細胞が正常に働かなくなって発症するといわれています。柴犬などの日本犬はなりやすく、グルグルと同じところを歩く、夜中に意味なく単調に鳴く、狭いところに入りたがり自分で後退できずに鳴くなどの症状がみられます。予防するためのサプリメントや療法食などもあります。飼主さんとのふれあいやしつけを通じて、脳に刺激を与えることで予防になるといわれています。

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