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猫の病気
泌尿・生殖器の病気
腎不全腎臓の機能に異常が発生し、おこる病気です。左右の腎臓の3/4が機能しなくなると生じます。突然腎機能が低下する急性腎不全と時間をかけて(数週間、数ヶ月、数年)ゆっくりと生じる慢性腎不全があります。腎臓が機能しないと尿として排泄されるべき老廃物が排泄されず体内に残ります。
嘔吐、食欲不振、多飲多尿などの症状がみられます。この状態が進行すると尿毒症などになり、命にかかわります。お薬、点滴、療法食などによって治療していきます。
高齢にともない、猫では非常に発生率の高い病気です。
血液検査、尿検査などで早期発見することができますので、定期的な検査をおすすめしています。
膀胱炎尿道や血液から細菌が入り、膀胱で炎症をおこす病気です。尿がにごる、尿に血が混じる、少量のおしっこを何回もするなどの症状があらわれます。お薬などによって治療していきます。
尿石症膀胱や尿道などに結石ができる病気です。結石ができると膀胱や尿道が傷ついたり、排尿が困難になったりします。特に尿道に詰まり、尿が全く出なくなると尿毒症になる危険もある、命にかかわる病気です。何回もトイレに行く、1回の尿量が減る、尿に血が混じる、排尿時に痛がるなどの症状があらわれますので、兆候がみられたらすぐに受診してください。手術が必要な場合もありますが、お薬や結石を溶かす療法食などによって治療していきます。猫では非常に発生率の高い病気です。
乳腺腫瘍お腹にある乳腺にできる腫瘍で、70~90%が悪性です。避妊手術を受けていない高齢のメスに多い病気です。乳腺腫瘍は、性ホルモンや発情回数と関係がある病気ともいわれているため、避妊手術を受けることが予防になります。
早期発見のために、日頃からおっぱい周辺を触り、しこりや腫れなどがないかチェックしてあげてください。
子宮蓄膿症子宮の中に細菌が入り、感染して炎症をおこし、膿がたまってしまう病気です。陰部からおりものや出血などが見られる、多飲多尿になる、元気がなくなる、食欲不振、嘔吐などの症状があらわれるようになります。ひどくなると子宮が破れてしまうことも。
兆候がみられたらすぐに受診してください。治療の多くは卵巣と子宮を摘出する手術になります。
避妊手術を受けていると、この病気を予防することができます。細菌が入らないように陰部を清潔に保つことも大切です。
消化器の病気
口内炎歯茎や舌などが炎症を起こす病気です。口を痛がる、食欲低下、口臭がする、口を気にする、よだれが出るなどの症状があらわれます。歯石や歯周病、感染症などによって起こり、再発、慢性化しやすい病気です。
お薬や、場合によっては歯石除去(スケーリング)、抜歯によって治療していきます。
歯周病歯垢や歯石に含まれる細菌によって、歯肉に炎症を起こす病気です。歯の表面が黄ばんできたり、口臭が気になるようになります。ほうっておくと歯が抜けたり、化膿することも。口内炎の原因にもなります。
歯磨きなどで歯垢がたまらないように、ホームケアが大切です。歯石がたまってしまったら、スケーリング(歯石除去)
で歯をキレイにすることもおすすめしています。
肝リピドーシス肝リピドーシス(脂肪肝)は、脂質代謝異常により肝臓に過剰な脂肪が蓄積し、肝機能障害を起こす病気です。
特に食欲不振の肥満している猫に多く見られる傾向にあります。おもな症状として、元気や食欲の低下、嘔吐、下痢などが認められます。症状の重い場合には黄疸や痙攣(けいれん)、意識障害などが引き起こされることもあります。
適切な栄養・カロリー補給が重要です。
太り気味の猫は、3日から1週間以上食事をまったくとらない状態が続いた場合、肝リピドーシスを引き起こすことがあるので注意が必要です。
便秘消化器の機能が衰え、便を排泄しにくくなる状態。高齢のメスがなりやすいといわれています。排便しようとするが便が出ない。固い便を少しだけ排泄するといった症状が見られます。放置すると巨大結腸症を発症することも。
3日以上排便が見られない場合は受診してください。
肝炎肝臓が正常に働かなくなる病気です。細菌・ウイルスなどの感染や中毒、寄生虫などが原因となります。
重度にならないと症状があらわれないことも少なくありませんが、食欲不振、嘔吐、下痢、黄疸などの症状がみられることがあります。ひどくなると昏睡状態になることも。
呼吸・循環器の病気
心筋症心臓の筋肉が正常に働かなくなることで、血液が全身に充分に行き渡らなくなる病気です。初期は無症状のことが多く、咳や呼吸困難、失神などがみられ、最悪の場合には突然死することがあります。加齢にともなって発症しやすくなります。完治の難しい病気です。
無症状で病気が発見されれば、投薬で病気の進行をおくらせることは可能ですが、症状が出てしまうと治療が困難な病気です。
心臓病心臓の働きが悪くなり、血液が全身に充分に行き渡らなくなる病気。疲れやすい、少し動いただけで息を切らせてうずくまるなどの症状がみられます。完治の難しい病気ですが、心臓の働きを助けるお薬などを使って、心臓の負担を軽くすることができます。
気管支炎気管支に炎症を起こし、セキや発熱などの症状が出る病気。多くはウイルス感染が原因となります。
お薬などで治療していきますが、ワクチンで防げる場合もある病気です。
後大静脈血栓症心筋症などによって血栓ができ、血管をつまらせてしまうことで、詰まった部分より先に血液が流れなくなってしまう病気。腰のあたりの血管(後大静脈)で起こることが多く、歩けない、足の痛み、足の麻痺、足が冷たくなるなどの症状がみられます。
鼻炎人間と同様、鼻の中の粘膜が炎症を起こす病気です。その症状はさまざまで、軽い場合にはくしゃみをしたり、水のような鼻汁をたらしたりします。重くなると鼻汁が濃くなり、粘りを帯びたようになります。そうなると、鼻汁によって鼻の中がふさがれ、鼻呼吸が困難になり、口を開いて呼吸をするようになります。原因はさまざまですが、まず疑われるのはウイルスや細菌の感染です。また、刺激臭の強い薬品を嗅いだり、アレルギーも鼻炎を生じさせる原因として考えられます。
血液・内分泌の病気
甲状腺機能亢進症首の付け根、気管の脇にある甲状腺という器官から、体の代謝を活発にする働きをもつ甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、心臓などに負担をかける病気です。高齢になるにつれ発症することが多く、初期は活発になり食欲が増すため「元気になった」と感じる飼い主さんも多いので注意が必要です。ひどくなると、食べるのにやせる、脈がはやくなる、脱毛などの症状もみられるようになります。血液検査などで診断します。お薬や処方食で治療していきます。
糖尿病すい臓から分泌されるインスリンが不足すると、体の細胞が糖を吸収しにくくなり、血液中の糖分の値(血糖値)が上昇します。その結果、糖が尿と一緒に排出される糖尿病になります。老齢によって発症する場合が多いですが、遺伝的要因などにより若齢時に発症する場合もあります。原因としては肥満につながる食べすぎや老化、ウイルス感染によるものやストレスなどが考えられ、白内障などを併発することもあります。多飲多尿、食欲はあるのにやせてくるなどの症状がみられ、発症すると完治は難しく、生涯治療(インスリン注射)が必要な病気です。
感染症
猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)猫免疫不全ウイルスに感染することで発症する病気です。猫エイズとも呼ばれます。ケンカによる咬み傷などからウイルスが入り込み、感染します。ほとんどの場合、感染してもしばらく~数年の間無症状ですが、徐々に免疫が働かなくなり、病気に対する抵抗力が弱まります。口内炎や治りにくい皮膚炎、慢性の下痢など症状はさまざまです。同時に他の病気に感染することもあり、重症化することも。長い時間をかけて弱っていくので、気づかないことも多く、現在 有効な治療法のない病気です。人にはうつらず、猫同士で感染します。
簡単な血液検査で感染しているかどうかを調べることが出来ます。
ケンカにより感染することが多いので、完全室内飼育をおすすめしています。
猫白血病ウイルス感染症(FeLV)猫白血病ウイルスに感染することで発症する病気です。ウイルスは血液、唾液、尿などに含まれ、トイレ・食器の共用、グルーミングやじゃれあいなど感染猫との密接な接触によって感染します。はじめは一見健康そうに見えますが、次第に元気がなくなっていきます。免疫力が低下するので、あらゆる感染症に抵抗できない状態になり、口内炎、胃腸炎、鼻炎などがなかなか治らず、リンパ腫や白血病など致命的な病気を伴うことも。現在 有効な治療法のない病気です。ただし、感染した猫全てが発症するわけではありません。感染していても、すぐに発症しないこともあります。人にはうつらず、猫同士で感染します。
簡単な血液検査で感染しているかどうかを調べることが出来ます。ワクチン接種で予防することができます。
猫伝染性腹膜炎(FIP)猫コロナウイルスが感染することで発症する病気です。感染猫の排泄物や、唾液・鼻水などの分泌物から感染かします。感染した猫全てが発症するわけではありません。感染していても、すぐに発症しないこともありますが、いったん発症すると、多くは死に至る恐ろしい伝染病です。症状はお腹に腹水がたまる「ウェットタイプ」が多く、中枢神経や目に異常をきたす「ドライタイプ」もあります。現在 有効な治療法やワクチンは無く、完治の難しい病気です。
猫ウイルス性鼻気管炎猫ヘルペスウイルスの感染により、くしゃみ、咳、鼻水などの呼吸器症状のほか、結膜炎を引き起こします。感染猫との直接の接触、くしゃみや咳などが飛散したものを浴びることで感染します。病原性は強くありませんが、放っておくと慢性の鼻炎となり完治が困難になります。ワクチン接種で予防することができます。
猫カリシウイルス感染症猫カリシウイルスの感染により、初期症状は、くしゃみ、咳、鼻水などの呼吸器症状が出る病気で、猫ウイルス性鼻気管炎によく似ています。症状が進むと舌や口の周りに潰瘍が出来ることもあり、肺炎をおこしてしまうことも。感染猫との直接の接触、くしゃみや咳などが飛散したものを浴びることで感染します。ワクチン接種で予防することができます。
猫汎白血球減少症猫パルボウイルスの感染により、下痢、嘔吐、発熱などの症状がみられ、白血球が急激に少なくなる病気です。
このウイルスは猫の体外でも生きることができ、感染猫との直接接触以外でも、排泄物や土中にいるウイルスから感染することもあります。ワクチン接種で予防することができます。
回虫症白っぽいひものような長さが4~18cmの寄生虫が原因の病気です。感染猫の便の中には虫卵が排泄され、それを摂取することで感染し、主に小腸に寄生します。消化管に障害が生じ、下痢や腹痛、発育不良などをひきおこします。
また、感染した回虫の幼虫が他の臓器に移行することもあります。便を検査したのちに、駆虫薬を使用します。
瓜実条虫症多くの体節からなる長さ50cm以上にもなる寄生虫が原因の病気です。ノミを摂取することで感染し、下痢などを発症させる原因となります。虫の一部が肛門付近に付着することもあり、米粒やゴマのように見えます。治療は駆虫薬を使用します。
また、感染源になるノミの寄生を受けないことが重要です。
マンソン裂頭条虫症多くの体節からなる長さ1m以上、最大2、5mにもなる寄生虫が原因の病気です。カエル、ヘビ、鳥などを摂取することで感染し、下痢、腹痛、消化障害などを引き起こします。治療は駆虫薬を使用します。
感染源となるものと接触しないことが重要です。
コクシジウム症コクシジウムという原虫の仲間が感染しておこる病気です。感染猫の便にオーシストと呼ばれる卵にあたるものが排泄され、それを摂取することで感染します。水様の下痢や血便を起こし、重症では命にかかわることも。駆虫薬を使用します。
ノミ感染症ノミが体表に寄生して吸血しておこる病気です。
吸血されると、痒みだけでなく、貧血をおこしたりすることもあります。また、アレルギーの原因にもなり、激しい痒みと湿疹・脱毛などの症状があらわれます。人も吸血されることがあり痒みをもたらします。さらに、ノミを口から摂取することで条虫が体内に寄生する危険性もあるのです。
お薬で予防することができます。定期的に予防してあげてください。
マダニ感染症草むらなどに潜んでいるダニが、身体に寄生し、たくさんの血を吸って、栄養障害や貧血を引き起こします。
最初は1~2mm程度の大きさですが、皮膚に喰いつき吸血すると1cmくらいにまで大きくなることもあります。
バベシア症、ヘモバルトネラ症などの命に危険を及ぼす感染症を媒介する可能性もある、恐ろしい寄生虫です。
お薬で予防することができます。定期的に予防してあげてください。
疥癬ヒゼンダニの寄生によって発症します。ダニは皮膚に穴をあけてもぐりこみます。その刺激とダニの分泌物による刺激、これに対するアレルギー反応が原因で非常に強いかゆみがみられます。頭、耳、額、足などに発疹と脱毛、かさぶたなどがみられます。検査をしても虫体がみられないことがあり、くり返して検査が必要になる場合もあります。直接接触によって感染します。感染動物との直接接触により、人にも感染します。駆虫薬を使用します。
ミミダニ症ミミヒゼンダニというダニが外耳道に寄生し、激しい痒みをおこします。しきりに頭を振ったり、頻繁に耳を後ろ足で引っかいたりする症状が見られます。黒い耳アカが出るのも特徴です。接触によって感染します。駆虫薬を使用します。
フィラリア症(犬糸状虫)蚊に刺されることで心臓にそうめんのような虫が寄生してしまう病気です。犬で有名な病気ですが、猫にも感染することわかってきています。症状は軽く、セキが出る程度ですが、突然死を引き起こすこともあります。
感染してしまうと簡単に駆虫することが出来ません。予防が非常に重要な病気です。
ジアルジア(ランブル鞭毛虫)症原虫の仲間のジアルジアが、小腸に寄生して発症する病気です。感染犬の便にシストと呼ばれる卵にあたるものが排泄され、それを摂取することで感染します。子犬が寄生された場合は下痢や発育不良だけでなく、体重の減少などが引き起こされます。感染していても症状がみられないこともあります。ペットショップなど、犬や他の動物を多数飼育しているような場所では、集団感染がしばしば見られます。駆虫薬を使用します。
その他
骨折落下などの衝撃により骨が折れること。触られるのを嫌がる部位がある、片足を上げたまま痛そうに立つなどの症状がみられます。ドアに挟まれたり、交通事故などで骨折することも少なくありません。
骨折した場所や状態によっては治療が難しく、麻痺などの後遺症が残ることも。
ストレスによる脱毛症ストレスを感じ、体の1ヶ所または数ヶ所をなめ続けることで、毛が抜けてしまう状態。毛が抜けた後もさらになめ続けると、炎症を起こす場合もあります。ネコの生活で何がストレスになっているかを突き止め、できるだけそれを取り除くことが治療になります。
黄色脂肪症青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸の摂り過ぎで発症する病気です。皮下脂肪が変性し、炎症を起こします。脂肪が黄色く変色することから、黄色脂肪症と呼ばれます。発症すると腹部の皮下脂肪にしこりができ、痛みと熱をもちます。栄養バランスのとれた食事を与えることが症状の改善と予防になります。
結膜炎まぶたの裏側の粘膜(結膜)が炎症をおこす病気です。細菌やウイルスの感染、ひっかき傷などが原因となります。白目の部分が赤くなる、赤く腫れる、目ヤニが出る、などの症状があらわれ、前足でかくなど、眼を気にするようなしぐさがみられます。お薬などで治療していきます。
角膜炎目の表面の角膜が炎症を起こす病気です。細菌などの感染のほか、異物によってついた傷やひっかき傷が原因となることが多く、炎症が進行すると角膜潰瘍になることも。目ヤニや涙が出る、目を痛がってこすったり、目をショボショボさせているなどの症状がみられます。お薬などで治療していきます。
ノミアレルギーノミが体に寄生することで、アレルギー症状を引き起こすことをいいます。アレルギーになると1匹寄生するだけでもひどい症状があらわれます。痒みがでるので、体を噛んだり、引っかいたりすることで、毛が抜けたり、湿疹などを引き起こします。お薬で、駆虫と予防をすることができます。ノミを寄生させないことが大切です。
外耳炎細菌やカビの繁殖、寄生虫の感染などで、耳の外耳道に炎症をおこす病気です。しきりに頭を振る、耳をひっかく、耳アカがたまる、耳から異臭がするなどの症状がみられます。耳の中は温度も湿度も高く、細菌などが繁殖しやすい環境になっています。定期的なお手入れで予防してあげてください。
また、かえって傷を付けて外耳炎を引き起こすこともあるので、綿棒を使う場合は目にみえる範囲にとどめてください。
膿瘍ケンカなどの傷口から細菌感染をおこし、膿がたまってしまう病気です。最初は、噛み傷、引っかき傷など見た目には小さな傷で、気付かないことがほとんどです。化膿が進むと、触るのを嫌がる、発熱、元気・食欲が低下するなどの症状がみられます。ひどくなると手術が必要なことも。
早くお薬で治療することで化膿をおさえられることも少なくありません。
ネコさんが負傷したらなるべく早く受診してください。
猫痤瘡(猫ニキビ)下あごにニキビができ、脱毛などをおこす病気です。あごは毛づくろいしにくく、黒いツブツブの汚れがたまることも少なくありません。二次感染を起こして、炎症を起こすこともあります。
患部を清潔にすることが症状の改善と予防になります。
































